かねてから伝えられていたとおり、米アマゾン・ドットコムは4月12日、ホームセキュリティー機器を手がける米国の新興企業、リング(Ring)を買収したと発表した。
家庭市場への進出を拡大
取引金額などの詳細は明かしていないが、買収額は、10億ドル(約1072億円)以上と見られている。同社は、昨年、米高級スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを137億ドルで買収したが、今回は、それに次ぐ規模で、同社として過去2番目の大型買収となる。
リングは、ドアベルとも呼ばれる玄関ドアチャイムを手がける企業。ただ、その「ビデオ・ドアベル」という製品は、単なるドアチャイムではない。セキュリティーカメラを備えており、訪問者の映像を音声とともに、スマートフォンやパソコンに映し出す。この仕組みにより、顧客は、不在時でも外出先から訪問者を確認でき、会話することも可能となる。
アマゾンはここ最近、スマートホーム関連の機器やサービスに力を入れている。今回のニュースについて報じているザ・バージの記事は、「こうしてアマゾンは、着実に家庭市場への進出を拡大させている」と伝えている。その代表例が、AI(人工知能)スピーカーの「Amazon Echo」とアシスタントサービスの「Alexa」だという。
不在時宅内配達サービスを全米に拡大
また、アマゾンは、昨年10月、米国で屋内用セキュリティーカメラ「Amazon Cloud Cam」を発売した。これは、有料プログラム「Prime」の会員向けに米国の37都市で始めた、不在時宅内配達サービス「Amazon Key」に用いるカメラ。そして、先ごろ同社は、このサービスを全米に拡大すると発表した。