中国都市部を中心に普及しているシェア自転車アプリ「モバイク(Mobaike)」が、昨年(2017年)日本の北海道札幌市などでサービスを始め、今年3月には奈良市でも展開し始めました。
日本の多くのメディアは、中国での運用状況や日本での普及の可能性を中心に報じていましたが、筆者自身は、日本は中国から消費材だけでなくとうとうサービスまでも輸入するようになったのだなと感慨深いものがありました。
モバイクのほか、日本でも盛んに報じられているモバイル決済サービス「ウィーチャットペイ(WeChat Pay、微信支付)」をはじめ、近年の中国では日本にはない独自のアプリサービスが多数展開されています。
以前は「コピー大国」と言われ、実際に他国のアプリを模倣するばかりだった中国ですが、ショート動画の投稿・共有アプリ「Tik Tok」をはじめ独自性あふれるサービスが続々と登場してきています。
そこで今回は、こうした中国のアプリ開発が競争力を高めている背景と市場の特殊性について、業界関係者の話を交えながら紹介したいと思います。
独創的アプリが変える中国人の生活スタイル
10年ほど前まで中国のIT市場がコピー製品と排外主義で成り立っていたことは、恐らく中国人自身も否定はしないでしょう。