東日本大震災から7年が経過した。その東日本大震災に際して「トモダチ作戦」(Operation Tomodachi:アメリカ軍による東日本大震災被災地救援支援活動の作戦名)に参加したアメリカ海兵隊将校の友人たちが、「もしも自衛隊に我々アメリカ海兵隊的な戦闘能力が備わっていたならば、少なくとも数千名の命を救うことができたに違いない」と残念がっていたことが思い出される。
海兵隊将校たちが残念がっていた理由
海兵隊将校たちが残念がっていたのは無理からぬところであった。なぜならば、海兵隊や筆者らは、東日本大震災の発生よりもはるか以前から「自衛隊によるアメリカ海兵隊的戦闘能力を獲得する必要性」を指摘していたからだ(参照:2009年発刊の拙著『米軍が見た自衛隊の実力』宝島社、『アメリカ海兵隊のドクトリン』芙蓉書房出版)
それだけではない。大震災発生の1年前にはアメリカ海兵隊太平洋海兵隊司令官シュタルダー中将はじめ幹部たちが、NHKのインタビューに対して「アメリカ海兵隊を特徴づけている戦闘能力は、大規模災害救援活動、とりわけ日本のような島国における救援活動には獅子奮迅の働きをする」と述べていた。日本防衛という主たる任務からだけでなく、災害救援という副次的任務の側面からも、自衛隊は可及的速やかにアメリカ海兵隊的戦闘能力を身につけるべきであると提言していたのだ(参照:拙著『写真で見るトモダチ作戦』並木書房)。