クリスマスの装い 上海・外灘

中国・上海市の中山東一路沿いのビルに出現した、壁をよじ登ったり、座ったりするサンタクロースたち(2017年12月4日撮影)。(c)CNS/王岡〔AFPBB News

 2017年、中国におけるクリスマスについて奇妙なニュースが報じられた。地方における一部の党関連組織が、党員に対して「クリスマス禁止」を呼びかけていたというのだ。

 米国の国際放送局RFAは、12月11日に遼寧省の瀋陽薬科大学の共産主義青年団(共青団)が団員に向けて「“クリスマスイブ”や“クリスマス”といった西側の宗教の祭日に関連する活動」を禁じる通知を発令したことを報じている。

地方の党員に通達「家族や同僚も監督せよ」

 また、湖南省衡陽市の党規律検査委員会もこれと前後して、市内の中国共産党員と党幹部、その親族に向けクリスマスに関連した活動への参加禁止を通達した。米国の情報サイト『チャイナ・デジタル・タイムス』から、同市内にある南華大学土木工程学院で大学院生の党員を対象に開かれた説明会で下された指示を引用してみよう。

(1)党員や党幹部とその直系親族が、許可を得ずして西側の背景を持つあらゆる宗教活動に参加することを厳禁する。特にクリスマスイブ、クリスマスの期間に路上を占拠して盛んに祝うような活動への参加は絶対に許されない。

 

(2)党員や党幹部は身をもってルールを体現し、共産主義の信仰を遵守し、迷信や西側の精神的アヘンへの盲従を許容せぬようにしなくてはならない。およそクリスマスイブ、クリスマスの期間になんらかの形式の宗教活動に参加したことがひとたび明らかになれば、事実関係を調査したうえで、規定に照らして(党員としての)紀律上の責任を追求する。