「敵基地攻撃」可能な
巡航ミサイル導入に踏み出す日本
北朝鮮が核ミサイル開発によって日米韓への挑発を続けるなか、わが国政府は敵基地攻撃も可能なミサイルを日本として初めて保有する方針を固め、購入に必要な経費を平成30(2018)年度予算案に計上する。
12月5日のFNNニュースで明らかになった。
政府が購入する予定の装備は、ノルウェーなどが開発中の「JSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)」。
最大射程500キロ以上の空対艦・空対地の能力を持つ巡航ミサイルで、今年度から航空自衛隊(空自)に配備される最新鋭ステルス戦闘機「F-35」に搭載される予定である。
さらに、射程が900~1000キロ程度の米国製空対地ミサイル「JASSM(ジャズム)-ER」と、遠距離から対艦、対地攻撃ができる「LRASM(ロラズム)」も平成30(2018)年度予算案に計上する方針で、日本海上空からでも北朝鮮を攻撃できる。
これらは、喫緊の課題となっている敵基地攻撃能力の有力な手段であり、わが国としても、対北朝鮮・対中国戦略上、大きな前進が図られることになる。
「敵基地攻撃」には
オンタイム・ピンポイントの目標情報が不可欠
しかし、敵基地攻撃の論議がここで止まってしまっては、何の意味も持たない。
というのも、例えば、わが国にとって死活的な脅威である北朝鮮の核ミサイルは移動式、あるいは地下格納(サイロ)式になっているため、それを攻撃するには、核ミサイルの所在(目標情報)をオンタイムかつピンポイントで把握しなければならないからである。
特に移動式については、今、ここにあるという確実な情報が不可欠であるが、それを偵察衛星などのハードウエアで偵知することは困難である。