米アップルが、同社初のAI(人工知能)スピーカー製品の発売を延期したことが話題になっている。
発売時期を12月から「2018年初頭」に変更
同社は今年(2017年)6月、iPhoneなどに搭載されているAI音声アシスタントサービス「Siri」を利用できる、スピーカー型機器「HomePod(ホームポッド)」を発表。これを同年12月に、米国、英国、オーストラリアで発売し、2018年には販売地域を順次拡大するとしていた。
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だが、米アップルのウェブサイトでは、すでに発売時期が「2018年初頭」に変更されている。これについて、アップルの広報担当者は、米ニューヨーク・タイムズや米ザ・バージなどのメディア取材に対し、「人々がHomePodを体験するのを待ち切れない。だがこの製品を準備できるまでには、もう少し時間がかかる」と述べた。
アマゾン、AIスピーカー市場で首位
その詳細については明らかになっていないが、今回の発売延期はアップルにとって“つまずき”だと、ニューヨーク・タイムズや米ウォールストリート・ジャーナルなどは伝えている。すでに同社のライバルがこの市場に製品を次々投入しており、アップルは、すでに遅れを取っている。これがさらに遅れるとなれば、アップルはこの市場におけるメジャープレーヤーのグループから取り残される可能性があると懸念されている。
この市場では、まず、米アマゾン・ドットコムが2014年11月に、米国の一部のPrime会員を対象に「Echo(エコー)」を発売した。アマゾンは翌2015年に、同国で一般向け販売を開始。Echoはそれ以降、人気商品となり、2016年末時点で1000万台以上が売れたと推計されている。米国の市場調査会社CIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)による最新の推計によると、姉妹製品を含めたEchoシリーズの販売台数は、過去2年間で2000万台となり、アマゾンはこの市場で首位を保っている。