北朝鮮ミサイル発射、3発のうち「2発は飛行」 米軍が修正

韓国・ソウルの駅に設置された北朝鮮のミサイル発射について伝えるテレビの画面(2017年8月26日撮影)。(c)AFP/Ed JONES〔AFPBB News

 北朝鮮を制御できるのは90%の貿易を有する中国しかいないと、米国のドナルド・トランプ大統領は4月の習近平国家主席との会談で思ったに違いない。

 そこで、北朝鮮が国連の度重なる警告や制裁を無視して核弾頭の開発と弾道ミサイル発射を繰り返しても、大統領は当初「中国はよくやっている」と主席を褒め称えた。

 しかし、国連の制裁が何度決議されても、一向に北朝鮮の抑制につながっていない。そのことから、米国は北朝鮮抑制で中国依存は間違いではないかと思うようになってきた。G7の後、安倍晋三首相の言っていたことが正しかったとさえ発言するようになる。

 中国頼みが期待できないと観念した米国は、自らが主体的に関わる以外にないと思い始めた節がある。

 7月28日付の「産経新聞」が報じた26日付ワシントン・タイムズとマイク・ポンペイCIA(米中央情報局)長官とのインタビュー記事からは北朝鮮のレジーム・チェンジが選択肢の1つと読み取れる。

 産経新聞の古森義久氏も8月2日付JBpress記事「金正恩政権打倒の方法、米国政府が具体的に検討へ 一瞬も目を離せない段階に突入した北朝鮮情勢」で、長官が7月下旬のコロラド州アスペンで開かれた国際安全保障に関するフォーラムでの発言を引用して、同趣旨の記事を書いている。

中国依存は失敗の積み重ね

 米国の中国依存(または行動容認)が失敗を重ねてきたことは歴史からも明らかである。第1次世界大戦後のワシントン条約体制は、西欧のベルサイユ体制に対応して、東アジア・太平洋地域で中国の民族自決や米国の門戸開放政策を進める新秩序を確立しようとしたものであった。

 しかし、肝心の中国が一向に条約を遵守せず、また条約締結の旗振りをした米国は条約遵守の日本よりも中国(即ち蒋介石、次いで毛沢東)に言論と武器支援で肩入れし、日中戦争につなげていった。

 米国の外交史家ジョージ・ケナンが「疑いもなく、極東の諸国民に対するわれわれの関係は、中国人に対するある種のセンチメンタリティ―によって影響されていた。(中略)中国人に対するわれわれの態度には何か贔屓客のような感じがある」(『アメリカ外交50年』)と述べる通りであった。

 こうした結果、「他国(筆者注:共産主義と戦っていた日本)がそれを引き受けていた時には、われわれが大いに軽蔑した重荷を、いま自ら負う羽目になり苦しんでいるのは、確かに意地悪い天の配剤である」と述懐する。