先ごろ、米国の市場調査会社IDCは、今年の世界スマートフォン市場は、年後半に回復が見られるとする予測を公表したが、同社によると、タブレット端末の市場も同様に、年後半に出荷台数の増加が見込まれるという。
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4~6月期の世界出荷台数は3.4%減
IDCが8月3日に公表した、2017年4~6月期のタブレット端末市場リポートによると、同四半期の世界出荷台数は、3790万台で、1年前から3.4%減少した。
IDCはタブレット市場を「スレート型」と呼ぶ従来型端末と、着脱式キーボードが用意されている「デタッチャブル型」の2つのカテゴリーに分けて分析している。
このうち、前者のスレート型は、世界的に減少が続いており、同社はこれまで、これがタブレット市場全体の規模縮小の要因になっていると指摘。一方、デタッチャブル型は、ノートパソコンの代替製品としての需要があり、タブレット市場回復の成否は、このデタッチャブル型の成功にかかっているとしていた。
アップルとMSの新製品が反映されるのは年後半
そして、この4~6月期は、米アップルが、デタッチャブル型である「iPad Pro」の新モデルを、米マイクロソフトも同じくデタッチャブル型である「Surface Pro」の新モデルを発売した。
IDCによると、アップルとマイクロソフトが新製品を発売すると、その後の市場は活気付く傾向にある。つまり、この4~6月期は、その効果が現れると見られていたのだが、結果はそのとおりにならなかった。IDCによると、その理由は、いずれもその製品投入時期が6月だったため。つまり、この4~6月期の統計には、それぞれの出荷台数の一部しか反映されなかった、というわけである。