日本代表のジョーンズHC、W杯終了後に退任へ

ラグビー・ワールドカップ2015年イングランド大会で日本チームの指揮をとったエディ・ジョーンズ氏。2013年に脳梗塞を患っている。写真は秩父宮ラグビー場に姿をみせたエディー・ジョーンズHC(当時、2015年8月15日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News

 脳梗塞は、加齢に伴い罹患する可能性が高まる。世界では次々と治療デバイスが開発されている領域だ。

 前回は、新たな治療デバイス開発に挑むバイオメディカルソリューションズが、いかにして海外勢と肩を並べながら、脳梗塞患者に朗報となる画期的な治療法を実現し始めたかをご紹介した。

 今回は、同社が脳梗塞治療デバイスを手がけることになった背景と、苦労を重ねた資金繰りなど、ベンチャーを立ち上げれば避けては通れない壁をいかに乗り越えてきたかを紐解いていく。

米国流の販売は大手に任せるモデル

 高度な医療機器の開発は億円単位の資金が必要と言われる。試作品を開発するにも多額の開発資金を準備しなければならない。

 脳血管内治療に求められる技術は極めて特殊であり、そこに特化した設立したてのベンチャーに投資や融資するファンドや金融機関はなく、創業当初は資金繰りを工面するのにかなり苦労した。バイオメディカルソリューションズの正林和也社長(31歳)は次のように振り返る。

7月3日、ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)が開催したネットワーキング・ナイトで登壇した正林和也さん(右)と大下創さん(左)

 「政府系の助成金・補助金の獲得を試みるもなかなか採択されないなか、唯一、経済産業省の『課題解決型医療機器等開発事業』に我々の開発案件が採択されました」

 「それもあって、銀行からも融資を取りつけることができ、大口の開発資金を確保することができました。これがなければ今の私たちはありません」

 それからも和也さんは、開発に協力してくれるパートナーを探すため、国内の医療機器メーカーや医療機器製造業者を回り、 ベンチャーキャピタルにも足を運び出資先を探し続けた。

 のちに同社を資金面と事業構想のアドバイスをすることになるメドベンチャーパートナーズ社長の大下創さん(48歳)に出会ったのもその時期だった。