<管理職の労働時間>

 まず、正規雇用者のうち週50時間以上働く人の割合を役職別に見たものが図表2だ。

 ここで「週50時間以上」を基準としたのには理由がある。例えば、週所定労働時間が法定労働時間40時間(9時~18時、休憩1時間)の事業所で平日毎日2時間ほど時間外労働をすれば週50時間労働となるが、そのためには毎晩8時まで業務に従事することになる。

 平均的な通勤時間を考えると、帰宅は9時頃となり、子どもの夕食には到底間に合わない。週50時間以上働く場合、子どものケアと仕事を両立する難易度は相当上がる。

 図表2に戻って、週50時間以上働く人の割合を見てみよう。まず、全体では、役職なしに対して役職ありの人でこの割合が高い。具体的には、役職なしで23%であるのに対し、主任・係長クラスで32%、課長クラスで34%、部長クラスで28%である。

 次に従業員規模別に見ると、同様に役職ありで週50時間以上働く人の割合が高く、特に1000~4999人および5000人以上の企業の課長クラスでは約4割であった。役職なしと比べて、管理職の働き方は「仕事と家庭の両立が困難」になりやすい状況となっている可能性がある。

図表2:役職別・週50時間以上働く人の割合(正規雇用者、%)
(注)対象は正規雇用者。役職者は各役職と同待遇の専門職を除く。斜体の数字はサンプル数が100未満である。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2017
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