就任から半年が過ぎた米国のドナルド・トランプ大統領はいまどんな状況にあるのか。
史上最低の支持率や「ロシア疑惑」での不透明な動き、そして特別検察官らによる責任の追及など厳しい状況にあることは確かである。
米国議会の一部には、大統領弾劾への動きも起きてきた。日本側でも米国通の識者らによって大統領弾劾が現実に起こり得るかのように語られる。
「大統領の弾劾が確実」は本当か?
しかし実際には、現在のワシントンの政治構造の中で、弾劾が行われる見通しは立っていない。堅固なトランプ支持層も相変わらず存在する。日本側としてはトランプ政権への批判だけに目を向けるのではなく、同盟国である米国の国政動向を客観的に読み取る姿勢が必要だろう。
ワシントン特派員を含む日本の主要メディアや米国通の識者たちは、トランプ政権の誕生から現在に至るまで、常に「トランプ政権は長続きしない」と分析し、報じてきた。
その理由としては、当初は「史上最低の支持率」が多かった。次に「大統領の無知や未経験」がやり玉にあがった。さらにはここに来て、「ロシア疑惑で弾劾される」という見通しが語られている。予測のゴールポストが次々と動いているのだ。だが、現実は、そのいずれにもなっていない。