米国の主要メディアのトランプ政権に対する報道姿勢は、否定的な方向に大きく傾いている。このほどハーバード大学ケネディ・スクール(公共政策大学院)が、7つの主要メディアがトランプ政権を報じる内容は8割が「ネガティブ(否定的)」で、「ポジティブ(肯定的)」は2割に過ぎないという調査結果を発表した。
7つのメディアの中では、CNN、NBCの両テレビ局がともにネガティブな報道が93%でトランプ政権に最も厳しく、逆にFOXテレビが最も肯定的なスタンス(ネガティブ報道は52%)だという。
同調査は、「共和党トランプ政権と民主党との対立を報じることが本来のメディアの役割なのに、メディア自体がトランプ政権に戦いを挑む構図となり、一般国民の間にメディアの客観性放棄という不信を生んでいる」という考察も提示していた。
ネガティブ報道の割合が異様に高いトランプ政権
5月下旬、ハーバード大学ケネディ・スクールの「メディア・政治・公共政策センター」は「ドナルド・トランプの最初の100日間のニュース報道」と題する調査報告書を発表した。この報告書は、同センターが民間のメディア研究専門機関「メディア・テナー」の協力を得て実施した調査に基づくという。
同調査は米国の主要メディアである「ニューヨーク・タイムズ」「ウォール・ストリート・ジャーナル」「ワシントン・ポスト」の3紙と「CBS」「CNN」「FOX」「NBC」の4テレビ局を対象に、トランプ大統領とトランプ政権に関する報道の内容を調査した。調査対象期間はトランプ大統領就任の1月20日間からの100日間である。