アリババ創業者、ACミランの買収報道をジョークで笑い飛ばす

アリババの創業者ジャック・マー氏。アリババのビジネスは躊躇なくグレーゾーンに突っ込んでいく(2015年12月5日撮影)。(c)AFP/ERIC FEFERBERG〔AFPBB News

 現在、中国系企業の存在感はかつてなく高まっている。昨年(2016年)末、東芝は家電部門を中国家電大手、マイディア(美的)に売却、シャープは企業そのものを中国との関係も深い台湾EMS大手、ホンハイ(鴻海)に身売りした。他にもNECと富士通はパソコン部門を中国のレノボ(聯想)に売却、往年のサンヨーの家電部門はハイアール(海爾)のグループ内に組み込まれて久しい・・・と、いまや往年の日本を支えた大手メーカーの家電やパソコン部門は軒並み中国系企業の傘下にある。

 また、投資の分野も熱い。ソフトバンクCEO、孫正義と、鴻海CEOの郭台銘(テリー・ゴウ)や中国ネット販売大手、アリババの馬雲(ジャック・マー)の交際と資本提携関係は有名だ。ソフトバンクは今年5月、中国で爆発的な伸びを見せている配車サービス大手「滴滴出行」に5500億円規模の巨大出資を発表したことでも話題になった。

 こうしたパワフルな中国企業の経営者たちの、型破りな創業譚を集めたのが、今年4月25日に刊行された『現代中国経営者列伝』(高口康太著、星海社新書)だ。いっぽうで筆者(安田)も、昨年9月に“シャープを買った男”ホンハイCEOの評伝『野心 郭台銘伝』(プレジデント社)を刊行している。

 台湾の梟雄(きょうゆう)、郭台銘と、昇り龍のごとき中国企業のトップたち。仮に三国志の世界ならばいずれも大勢力として割拠してもおかしくない海千山千の猛者が揃う。そんな彼らの個性の共通点はなにか。『現代中国経営者列伝』著者であるジャーナリスト、翻訳家の高口氏と語り合うことにした。