「格差社会」などとも言われている現代ですが、具体的にどのくらい格差が起きているのかを指摘できる人は少ないのではないでしょうか? 実はこの格差を数字で知る方法があります。それが「ジニ係数」です。
ジニ係数は、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標です。0から1までの値をとり、0に近いほど所得格差が小さく、1に近いほど所得格差が大きいことを示します。日本の所得分配の不平等度を計測している統計には厚生労働省が実施している所得再分配調査があります。
日本の格差は過去最大、働く世代が損をする
2016年9月15日、厚生労働省「平成26年所得再分配調査」が発表されました。ここで、公的年金などを除いた世帯間所得の格差が2014年に過去最大となったことがわかりました。
世帯間の格差を指数で表した「ジニ係数」は0.5704で、前回よりも0.0168ポイント増えて格差が広がり、調査開始1962年以来、格差が最も大きくなっています。
フランスのパリに本部を持つOECD(経済協力開発機構)でも、ジニ係数を出しています(Income inequality remains high in the face of weak recovery/OECD 2016年レポート)。こちらの最新のレポートでは、日本のジニ係数は0.330。平等社会と言われるスウェーデン(0.281)やベルギー(0.268)、ドイツ(0.292)、フランス(0.294)やスイス(0.295)はすべて0.3以下で、逆にアメリカなどは0.394と高くなっています。