これまで中国メーカーの最大のネックは、開発できても製造できないという点だった。しかし「最近は多方面から支援を得て克服しつつあります。自動車部品サプライヤーも中国に肩入れしています」。
中国メーカーでは日本人技術者も多く活躍しているという。「とくに機械加工や熱処理といった職人的な技が求められる分野は日本人が技術を伝授した例が多いですね」。
牧野氏は「何よりも、いま売れているクルマを素早く商品化する決断力があります」と中国メーカーの強さの秘密を説明する。「経営陣が判断する場合もあれば、外部のコンサルタントが教示する場合もあります。また、世界中に張り巡らされた情報ネットワークも駆使します。中国系移民は世界中にいますから」。
「もう中国車を『コピー車』などとあなどってはいられません。性能・機能と製造品質の向上は著しいものがあります」 牧野氏流に解釈すると、これも日本メーカーを待ち受ける「中国のワナ」なのだろう。