3月27日の米WTI原油先物価格は一時1バレル=47.08ドルと、協調減産を決定したOPEC総会が開催された2016年11月30日以来の安値(同47.01ドル)付近まで下落した。
前日の26日、OPECと非加盟の主要産油国の閣僚会合がクウェートで開かれ、協調減産の延長を協議したにもかかわらずに、である。
会合に参加した監視委員会(各国の協調減産の進捗状況を監視する組織)は、各国が2月時点で減産目標の94%(OPECは106%、非加盟国は64%)を達成したと発表し(1月は86%だった)、その上で、OPECと非加盟国が4月に「減産の延長」に関する提案を策定する方針を決定したことを明らかにした。協調減産の延長に関する提案は5月の閣僚会合とOPEC総会で最終的に判断される見通しである。
会合には参加していないが今回の減産を主導したサウジアラビアは、当初は減産延長に消極的だったが、最近になって「原油在庫の水準が高止まりが続き、非加盟国が参加する」ことを条件に延長を受け入れる可能性を示唆している。
一方、世界最大の原油生産国であるロシアのノバク・エネルギー相は「減産延長の判断は時期尚早」との見方を繰り返しており、全ての国が「減産延長」というコンセンサスで一致している状況にはない。
米国でのシェールオイル増産の動きも止まるところを知らないようだ。米石油サービス会社ベーカーヒューズが24日発表した米石油掘削装置(リグ)稼働数は10週続けて増加し、652基と2015年9月以来の高水準となった。