過去にもクリーンエネルギー革命のように、社会のパラダイムを大きく変える革命が起こりました。産業革命とIT革命です。ご承知の通り、産業革命は18世紀後半から19世紀の初めにかけて英国で発祥し、欧州大陸、米国、日本へと工業化・近代化の波が世界に拡がりました。
クリーンエネルギー革命のリーダー国は?
一方、IT革命は、1980年代後半から、米国が震源地となり、コンピューターやインターネットなどの情報通信技術の急速な発展により、世界を情報化社会へと変貌させました。産業革命は英国が世界をリードし、IT革命は米国が世界をリードしました。
それでは、クリーンエネルギー革命はどうでしょうか?
過去に起こった革命のように、欧州や米国のようなお決まりの先進国が、他国を一歩、二歩もリードし、クリーンエネルギー革命を牽引していくのでしょうか? その答えは、「決して、そうとは限らない」です。
なぜなら、過去に起こった革命の時代とは異なり、我々の生きている21世紀は情報化社会とグローバル経済をベースに成り立っているからです。
情報化社会は、インターネットを通じて有用な情報・知識を世界中に拡散させ、国や組織や個人間の情報や知識格差の垣根を取り除きました。また、グローバル経済は、アウトソーシングに代表されるように経済活動における国境の概念を形骸化させました。
オープンイノベーションが競争ルールを変える
この情報化社会とグローバル経済から成る現代社会のプラットフォームを土台として、オープンイノベーションという発想が、広く世の中に受け入れられ始めています。
オープンイノベーションとは、すべてを自前主義でやるのではなく、優れた外部の技術、能力、リソースを積極的に取り入れながら、よりスピーディかつダイナミックに新しい技術や事業を開発するアプローチです。
このより“開かれた”技術革新・事業開発の手法が、グローバル経済と相まって、国境を越えたイノベーションを引き起こしているのです。
グローバル・オープン・イノベーションは、既にクリーンエネルギー産業でも起きています。