「米アップルは今年発売する次期iPhoneで、有機EL(OLED)ディスプレーを採用する」──。こうした噂はこれまで、さまざまなメディアが伝えてきたが、米ウォールストリート・ジャーナルは2月28日付の記事で、この観測を裏付ける報道をしている。
新型ディスプレーの採用計画にゴーサイン
記事によるとアップルは、iPhoneの2017年モデルにOLEDディスプレーを採用することを決定し、すでに量産に必要となる十分な量の部品を発注したという。
今回の報道に先立ち同紙は、アップルがOLEDディスプレーの研究、調査を行っており、ディスプレーメーカーに対し試作品を提供するよう求めたと伝えていた。
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しかし今回の報道によると、その後アップルはOLEDディスプレーの採用計画にゴーサインを出した。同社の製品計画を直接的に知っている関係者らが、そう話しているという。
薄型化や曲面デザインが可能に
OLEDディスプレーは、その名のとおり有機物の発光体を利用するため、液晶ディスプレーのようにバックライトを配置する必要がなく、低消費電力で高輝度、高コントラストを実現できる。
また基板には従来のガラス基板だけでなく、薄いプラスチックなど軟らかい素材を使うこともでき、薄型化や湾曲した形状のデザインが可能になる。
アップルはOLEDディスプレーを、腕時計型機器「Apple Watch」や、ノートパソコン「MacBook Pro」のキーボード部分にあるタッチディスプレー「Touch Bar」で採用しているが、iPhoneにはまだ搭載していない。
一方で、液晶ディスプレーからOLEDディスプレーへの移行は、すでに韓国サムスン電子、米グーグル、中国シャオミ(小米科技)などの製品が実現している。