2016年末に日本モンサントから筆者に取材の依頼があった。同社のオウンドメディアで、遺伝子組み換え作物に対する世の中の誤解について話してほしいとのことであった。
モンサントと言えば、世界一の遺伝子組み換え作物のメーカーである。一般の農家の立場でモンサントの社員と話をする機会などまずない。筆者は喜んで取材に応じた。
ただし、一方的に取材されるだけではもったいない。せっかくの機会なので、筆者はモンサントに逆取材を申し込んだ。
そんなわけで、実は昨年の12月で本連載は終了するはずだったのだが、もう1回記事を執筆することとなった。最後の記事は、日本モンサントの社長、山根精一郎氏へのインタビューである。
日本モンサントは何をする会社?
まず、モンサントの歴史について簡単に触れておこう。モンサントは1901年に米国のミズーリ州セントルイスで創業した。社名は創業者の妻の姓から取られた。
甘味料のサッカリンの生産から始めて、世界有数の総合化学メーカーに成長しアスピリンなどの医薬やシリコンウエハー、繊維など多様な製品を作ってきた。その中にはDDTや2,4-Dなど農薬、ポリ塩化ビフェニル(PCB)もある。