前回の記事では、遺伝子組み換えに対する偏ったイメージの裏に隠されたさまざまな機能性やメリットとともに、気になる人体への影響について、どのように安全性が確保されているのか紹介しました。
◎前回の記事「反対派も下手に批判できなくなった遺伝子組み換え」はこちら
(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47889)
この記事を踏まえて「遺伝子組み換え作物の安全性は分かった。とはいえ、まだすっきりとしない、納得できない」という方の疑問に今回はお答えしていくことにします。
いつからこの世に現れたのか
「これまでなかった得体のしれないモノを食べるのは不安だ」
遺伝子組み換え作物は、人類が開発するまで世の中になかったものですので、こうした不安を持たれるのは分かります。しかし実際は、この世で最も安全性の確認がなされてきた作物であるとも言えるのです。
1972 年、スタンフォード大学のポール・バーグ教授が世界で初めて試験管内で遺伝子組み換えDNAの作成し、翌1973年には同じアメリカの遺伝学者であるスタンリー・ノルマン・コーエンと、ハーバード・ボイヤーが大腸菌の遺伝子に黄色ブドウ球菌の遺伝子を組み込み、遺伝子組換えの基礎技術を開発しました。ここから遺伝子工学は飛躍的な発展を遂げていきます。
(参照)遺伝子組換えとは【植物バイオ年表】(バイテク情報普及会)
遺伝子組み換え成功の知らせが世界を駆け巡ると、世界中の科学者たちが近い将来に遺伝子組み換え作物が開発され、市場に出てくると予想しました。
同時に、遺伝子組み換え作物が実際にできた時にどんな問題が起こるのか想像することも難しいことではありませんでした。