2月10日(米国時間)、安倍首相とトランプ大統領によって発せられた「日米共同声明」を、多くのアメリカ海軍関係戦略家たちが高く評価している。アメリカ大統領が公の文書で「公海での航行自由原則を守り抜く」ことを明言したからである。
アメリカ側の軍事専門家にとって、共同声明での尖閣諸島や沖縄の基地問題に関する言及は、オバマ政権はじめこれまでの米首脳の方針を再確認しただけであったため、さしたる関心事ではなかった。しかし、南シナ海(そして東シナ海)での「航行自由原則」を共同声明で明言したことに関しては極めて高く評価している。
なぜなら本コラムでも繰り返し指摘してきたように、米海軍対中強硬派が長年にわたって主張し続けてきた南シナ海における「航行自由原則維持のための作戦(FONOP)」の実施を後押しすることになるからだ。
FONOPを強力に実施しなければならない段階に
2月初頭に日本を訪問したマティス国防長官は、南シナ海での「航行自由原則維持のための作戦(FONOP)」の実施を強化すると明言した。
すると、その言葉に対抗するように、マティス長官が日本を離れると中国はすぐに海警局巡視船を尖閣諸島周辺の日本領海内を航行させた。