中国、南シナ海で奪った米無人潜水機を返還

南シナ海での演習に参加する中国の軍艦(2016年5月10日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 オバマ政権最後の年である2016年、中国は南沙諸島に誕生させた7つの人工島の軍事拠点化を急ピッチで進めた。

 オバマ政権は中国の軍事的拡張政策に対して強硬策をとらなかった。だが、次の政権が引き続き対中軟弱政策をとる保証はない。そこで、人工島に各種軍事施設を次から次へと建設していったわけである。

 結果的にはトランプ政権が誕生することになったため、中国の急速な人工島基地群建設努力は無駄ではなかったことになった。

中国海洋基地建設の進捗状況

 2016年当初、中国は南シナ海の7つの人工島のうちスービ礁、ファイアリークロス礁、ミスチーフ礁に、それぞれ3000メートル級滑走路の建設を進めていた。今やそれらの滑走路は、戦闘機から爆撃機や大型旅客機まであらゆる航空機が使用できる状態になっている。

 滑走路周辺にはまだ完全には完成していないものの、戦闘機や爆撃機などの格納施設や整備施設も姿を現しており、管制施設やレーダー施設をはじめとする空軍設備群の建設も完成目前である。そのため、2017年中には、それら3カ所の航空基地に人民解放軍海軍あるいは空軍の航空部隊が配備されることは十二分に可能な状態である。