トランプ氏、外交特別代表に自社の法務責任者 中東和平など担当か

米トランプ氏の経済政策が実現すると金利上昇とドル高が進むことになる。(資料写真、2016年12月9日撮影)。(c)AFP/DON EMMERT〔AFPBB News

 2017年の日本経済は、これまで以上に米国の動向に振り回されることになりそうだ。トランプ次期大統領が掲げる経済政策が実現した場合、日本にとって追い風となる一方、金利の上昇という新しいリスクを抱えることになる。景気が回復しないまま、金利だけが上昇した場合、日銀は極めて難しい対応を迫られることになるだろう。

公約が実現すれば米国経済は加速する

 トランプ次期大統領は経済政策に関して2つの大きな公約を掲げている。1つは巨額のインフラ投資、もう1つは大型減税である。

 トランプ氏は総額で1兆ドル(約117兆円、民間資金含む)という巨額のインフラ投資を実現するとしており、世界の株式市場はこの数字に強く反応している。投資の期間は10年なので、1年あたりの金額としては1000億ドルということになる。

 米国のGDPは18兆ドルの規模があるので、インフラ投資による直接的な効果はプラス0.6%程度である。だが、米国内のインフラは1960年代から70年代にかけて整備されたものが多く、老朽化が進んでいるといわれる。この規模の投資が継続的に実施されれば、古いインフラが刷新され、今後の成長に寄与する可能性が高い。労働者の所得も増加するので消費にポジティブな影響を与える。最終的には需要の増大という形で効果が顕在化してくるだろう。

 この動きに拍車をかけるのが大型減税である。トランプ氏は法人税率を35%から15%に引き下げると主張しており、もしこれが実現すれば、米国の税率は国際的に見ても極めて安い水準となる。企業の可処分所得が増え、海外からの資金流入も増えるので、これも投資を拡大させる要因となる。