訪日旅行がビジネスのきっかけに

 1階の中央部には、日本のブランド化粧品とともに、日本のドラッグストアで売られている日用品も置かれている。店の売れ筋はどうやら「日本ブランド」のようだ。

 今、上海で、「日本」を売りにしたある生活雑貨チェーンが出店を加速させている。店の名前は「メイソウ」(企業名は名創優品、創業者は葉国富)。かわいい小物が安く買える、しかも店はこぎれいでサービスもいい――メイソウは“上海女子”の心をしっかりと掴み、いつ行ってもレジの前に列ができている。

 中国のネットメディアによると、創業者である葉国富氏が2013年に日本を訪れたことがきっかけとなって、メイソウはスタート。あっという間に世界で1000店舗を超えるまでに成長した。

 メイソウは創業者の葉国富氏が「日本の小売モデルを中国に持ち込んだ」(中国のネットメディア)とされる。商品開発から店づくりまでメイソウが日本を意識していることは一目瞭然だ。

「メイソウ」のロゴは「ユニクロ」と同じく赤字に白抜きのカタカナ表記。カタカナ表記を理解できる中国人は少ないが、それでもカタカナにこだわったのは中国人客に日本を強くイメージさせたいからだろう。

メイソウの店舗。ロゴは思いっきりカタカナ

 商品の一部は、日本の「無印良品」や100円ショップを意識して開発したことが伺える。同店を訪れていた日本人女性に、商品についてどう思うかと聞くと、「限りなく無印良品をイメージさせますね」と苦笑していた。