アップルの新型スマートフォン「iPhone 7」が発売されてからまだ2カ月もたっていないが、米メディアの報道によると、アップルはすでに、来年発売する予定の次期iPhoneに搭載する有機EL(OLED)ディスプレーを部品メーカーに発注したという。
iPhoneにOLEDディスプレー採用か
これはJPモルガンのアナリストらが調査ノートで報告したもの。それによると、ディスプレーの生産発注の期間は約1年に及び、取引金額は少なくとも40億ドル(約4213億6000万円)に上るという。
最大の発注先は韓国サムスンディスプレイだが、アップルはジャパンディスプレイやシャープといったメーカーにも依頼しており、これらの企業は生産能力を増強するため、多額の投資を行っているという。
アップルはすでに、OLEDディスプレーを、腕時計型機器「Apple Watch」や、先頃発表した新型ノートパソコン「MacBook Pro」のキーボード部分にあるタッチディスプレー「Touch Bar」で採用しているが、iPhoneではまだ採用していない。
OLEDディスプレーは、低消費電力で高輝度、高コントラストを実現できる。その名のとおり有機物の発光体を利用するため、液晶ディスプレーのようにバックライトを配置する必要がない。
また基板には従来のガラス基板だけでなく、薄いプラスチックなど軟らかい素材を使うこともでき、薄型化が可能だ。
ただ、生産工程が複雑なOLEDディスプレーは歩留まりが悪い。こうしたコスト面、生産面の問題があるため、これまでiPhoneではOLEDディスプレーを採用しなかったが、来年はその状況が変わるようだと、米バリューウォークの記事は伝えている。