米国の市場調査会社ガートナーが10月19日に公表した最新リポートによると、IT(情報通信技術)に対する世界全体の支出額は今年いったん落ち込むものの、来年には回復する見通しだ。
今年は0.3%減、来年は2.9%増
ガートナーは今年7月に公表していたリポートで、今年のIT支出額が前年比横ばいの3兆4124億ドル(約354兆24億円)になるとの推計を公表していたが、これには英国のEU離脱(ブレグジット)の影響が考慮されていなかった。
今回ブレグジットの影響を加味して計算しなおした結果、今年のIT支出額は前年比0.3%減の3兆3870億ドルになるという。
一方で来年のIT支出額は前年比で2.9%増となり、3兆4860億ドル(約361兆5331億円)へと回復すると同社は予測する。
ソフトウエアは来年7.2%増へ
同社は世界のIT支出額を、「通信サービス」「ITサービス」「デバイス」「ソフトウエア」「データセンターシステム」の5分野に分けて分析している。
このうち全体の4割を占める通信サービスの今年の支出額は前年比1.1%減の1兆3840億ドルとなる見通し。デバイスも同7.5%減少し、その金額は5970億ドル。ただしいずれも来年は、それぞれ同1.9%増と同0.4%増へと回復すると予測している。
一方で世界のIT市場にとって明るい材料はソフトウエアとサービスという。