フランスは来春の大統領選を控えて、選挙がらみの報道が多くなっている。バカンス明けの最大のニュースは、「エマニュエル・マクロン経済・産業・デジタル大臣の辞任」だった。大統領選に出馬するための辞任とみられる。
マクロンは弱冠38歳、イケメン、議員歴なし、夫人は高校時代に教わったフランス語教師で25歳年上と、話題には事欠かない。夏には週刊誌「パリ・マッチ」の表紙を、若々しい水着姿の夫人とのツーショットで飾り、大きな注目を集めた。
オランドの支援で今の地位を築いたマクロン
さらに話題を盛り上げているのが、「マクロンはブルータスだ」というアラン・ジュペ元首相の指摘だ。つまり、マクロンは主人に若い時から目をかけられ、後継者に目されながら、暗殺に加わった「裏切り者」だというのだ。
マクロンは、エリート育成の高級官僚養成所・国立行政院(ENA)を出て財務監察官を務めた後、ロッシルド(英語読みは「ロスチャイルド」)銀行に入行し、大企業の合併などで活躍。同行のナンバー2にまで上り詰めた。
2012年5月、フランソワ・オランドが大統領に就任すると、マクロンはエリゼ宮(仏大統領府)の事務局次長に任命された。