G20の終了を待ち構えていたかのように、中国が南シナ海と東シナ海での露骨な覇権確保行動を再開した。
南シナ海のスカボロー礁周辺では、予想を上回る早さでG20開催中から海警巡視船や作業船など10隻前後を展開させるという行動に出ている(本コラム「レッドラインを超えた?中国がスカボロー礁基地化へ」を参照 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47818)。
そして、9月11日には予想通り、中国海警巡視船4隻が尖閣諸島周辺の日本領海内を90分にわたって航行した。引き続いて12日からは、中国海軍とロシア海軍の合同演習が南シナ海で実施されている。
初めて南シナ海で行われる中露合同演習
その演習とは、9月12日から8日間にわたって開催される「Joint Sea 2016」である。
中露の合同海軍演習はこれが初めてではない。2012年には黄海で、2013年には日本海のロシア沿海域で、2014年には東シナ海で、2015年春には地中海で、2015年夏には再び日本海のロシア沿海域でそれぞれ開催された。
しかし今回の演習は、初めて南シナ海で実施される演習であり、これまで以上に強い外交的メッセージを含んでいるという点で、大きな注目を集めている。