米フェイスブックは8月9日、同社のサービス内で広告を遮断できないようにすると発表した。
「広告遮断は当社のビジネスを脅かす」
これまでは、ウェブブラウザーに広告遮断ソフトウエア(アドブロッカー)を組み込めば、フェイスブック内の広告を非表示にすることができた。
だが今後は、アドブロッカーを回避する措置を取り、そうしたユーザーのパソコンにも広告を表示するとしている。
この話題について報じている米ウォールストリート・ジャーナルによると、フェイスブックの広告・ビジネスプラットフォーム担当副社長のアンドリュー・ボスワース氏は、「フェイスブックは広告によって支えられている。広告はサービスとは無関係なものではなく、フェイスブックにおける体験の一部だ」と述べている。
また同紙が引用した米国インターネット広告業界団体、IABのデータによると、同国では現在26%のユーザーがパソコンでアドブロッカーを使っているという。
一方、今後はそうしたユーザーがフェイスブックを利用しなくなるというリスクもあるが、その影響は比較的軽いのかもしれないとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。というのも同社の収益は主にモバイル向け広告によって支えられているからだ。
先頃フェイスブックが公表した今年4~6月期の業績リポートによると、同四半期の広告収入全体(62億3900万ドル、約6326億円)に占めるモバイル向け広告の比率は約84%だった。
そして、今回同社が広告遮断への対抗措置を取るのはパソコン版サービスのみで、スマートフォンなどのモバイル端末は対象外となる。
ただ、それでも広告遮断は脅威になるとフェイスブックは考えている。同社は有価証券報告書の中で、「広告遮断技術は、当社の事業を脅かす恐れがある」と報告している。