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「ポケモンGO」、ついに日本でも配信開始

東京・浅草でポケモンGOをプレーする学生。ポケモンGOを「未来を決める12の法則」から読み解くと?(2016年7月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/TORU YAMANAKA〔AFPBB News

(文:内藤 順)

「未来を予測する最善の方法は、それを発明してしまうことだ」とは、かの有名なアラン・ケイの言葉である。確かにそれは正しいかもしれない。しかし、この言葉が本当に説得力を持つのは、偉大な発明を成し遂げた人物によって語られた時だけである。

 本書の著者ケヴィン・ケリーなら、このように言うだろう。「未来を予測する最善の方法は、それを発見してしまうことだ」と。

 ならば、未来を発見するとは一体どのようなことか? 手掛かりは「プロセス」へ着目することにあった。

テクノロジーが進化していく際の法則

<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則
作者:ケヴィン・ケリー 翻訳:服部 桂
出版社:NHK出版
発売日:2016-07-23

 本書『<インターネット>の次に来るもの』は、未来を決める12の法則についてまとめた一冊である。過去、現在、未来へと移り変わるテクノロジーの変化を進化論のように観察していくと、一定の法則性が見つかるのだ。

 12の法則は、いずれも現在進行形の動詞であり、具体的には、Becoming(なっていく)/Cognifying(認知化していく)/Flowing(流れていく)/Screening(画面で見ていく)/Accessing(接続していく)/Sharing(共有していく)/Filtering(選別していく)/Remixing(リミックスしていく)/Interacting(相互作用していく)/Tracking(追跡していく)/Questioning(質問していく)/Beginning(始まっていく)というもの。未来へ向かう世界の中で、あらゆる概念が動詞化していく。