(文:内藤 順)
「未来を予測する最善の方法は、それを発明してしまうことだ」とは、かの有名なアラン・ケイの言葉である。確かにそれは正しいかもしれない。しかし、この言葉が本当に説得力を持つのは、偉大な発明を成し遂げた人物によって語られた時だけである。
本書の著者ケヴィン・ケリーなら、このように言うだろう。「未来を予測する最善の方法は、それを発見してしまうことだ」と。
ならば、未来を発見するとは一体どのようなことか? 手掛かりは「プロセス」へ着目することにあった。
テクノロジーが進化していく際の法則
作者:ケヴィン・ケリー 翻訳:服部 桂
出版社:NHK出版
発売日:2016-07-23
本書『<インターネット>の次に来るもの』は、未来を決める12の法則についてまとめた一冊である。過去、現在、未来へと移り変わるテクノロジーの変化を進化論のように観察していくと、一定の法則性が見つかるのだ。
12の法則は、いずれも現在進行形の動詞であり、具体的には、Becoming(なっていく)/Cognifying(認知化していく)/Flowing(流れていく)/Screening(画面で見ていく)/Accessing(接続していく)/Sharing(共有していく)/Filtering(選別していく)/Remixing(リミックスしていく)/Interacting(相互作用していく)/Tracking(追跡していく)/Questioning(質問していく)/Beginning(始まっていく)というもの。未来へ向かう世界の中で、あらゆる概念が動詞化していく。