次女(生後数カ月)を連れて来ると、同じように婦人警官が次女の体中をチェックし、問題がないことを確認し、帰って行った。
上記は実際に英国で経験したことであるが、児童虐待に対する法制度・警察対応が非常に厳格であることに驚いた次第である。
また、英国では近隣住民もそのような問題があると思う場合には、すぐに通報することが当たり前になっている。例えば、ある日、義母が英国に来た時、義母に留守番を頼み、夫婦で近所の八百屋に買い物に行った。その際、店の主人が我々を見て最初に言った言葉は「子供たちはどうした?」であった。このように、英国では近隣住民も常に子供が置かれている状況を見ている。なお、上記は英国での例であるが、他の欧州各国でもほぼ同様な状況であると言ってよい。
米国ではどのようなことに注意すべきか
米国では児童福祉全般について各州が第1次的責任を負っており、児童虐待についても、長らくそれぞれの州で独自の法令及び行政の取組みがなされてきた。
だが、1974年に連邦レベルでの対応も必要との認識から、「児童虐待の防止及び対処措置法(CAPTA:Child Abuse Prevention and Treatment Act)」が制定され、各州における児童虐待の発見・確認、防止および対処措置のプログラムが定められた。
その後、各州に児童虐待を防止する政策を進めるための連邦法が数多く制定されている。ちなみに、各州では児童の定義はまちまちであり、概ね12歳以下である場合が多いが、シカゴがあるイリノイ州では13歳以下、テキサス州は14歳以下を児童としている。ただし、同年齢以上でも児童として認定される場合も多いことに留意が必要である。
では、実際に米国ではどのようなことに注意すべきなのか。