「全然ダメ、なんでこれくらいのことができないの?」「分かってないね。こんなんじゃダメだよ」
ビジネスの世界ではこのような明確な否定の意思がぶつけられることがある。
発言や行動を否定される。提案を断られる。成果物に文句をつけられる。叱られる。低い評価を受ける。無視される。否定されると人間の心はダメージを受ける。
しかし、社会人たるものダメージを受けたからといってくじけるわけにもいかず、否定に耐えながらも、日々努力し、気を遣い、悩み、それでも歩みを前に進めている。
人は批判を恐れるもの
人は「自分のことを認めてほしい」という承認欲求を抱く。
そして、「自分のことを認めてほしい」の裏返しとして、「自分のことを否定しないでほしい」という欲求も抱く。
ストレスの研究を行い1700もの研究報告を残したカナダの生理学者:ハンス・セリエ氏はこう言っている。
「我々は常に他人からの賞賛を強く望んでいる。と同時に他人からの批判もまた同じように強く恐れている」
また、人は自分に対して絶対的な評価を行うことは難しいため、他者の自分に対する反応を見て、間接的に自分の評価を行う傾向がある。
他者から否定されると、自分の自分に対する評価が下がり、その結果、自分までもが自分を否定するようになる。相手との関係を良好に保つうえでは、こういった否定の言葉が持つ影響力の大きさを自覚することは大きな意味を持つ。