熊本地震はようやく収まり、インフラも復旧し始めたようだ。こういうときは、災害に便乗した流言蜚語に注意する必要がある。東日本大震災のときは「原発が核爆発する」といったデマが流されてパニックが起こり、その後遺症からいまだに立ち直れない。
今回はそれほどひどいデマはなかったが、率先して不安をあおったのは共産党と民進党だった。夏の参議院選挙では、共産党が候補をおろして民進党の候補を推薦する「民共合作」が行われる予定だが、このように野党が極左化するのは危険な兆候である。
共産党と歩調を合わせてパニックをあおった民進党
最初にパニックをあおったのは、共産党だった。小池晃書記局長は4月16日、「新幹線や高速道も不通で事故が起きた場合に避難に重大な支障が生じる」として、予防的に川内原発を止めることを「真剣に検討し国民・住民の不安にこたえるべきだ」と政府に申し入れた。
それに呼応して、民進党の江田憲司代表代行は18日の記者会見で「原発の周辺住民にとどまらず、九州地方の皆さんが大変不安に思っている」という理由で「政府に川内原発の停止を求める」という方針を表明した。
これには「大規模な停電が発生しているときに発電を止めるのは困る」という現地からの苦情が殺到し、岡田代表は20日の安倍首相との会談では「避難計画の再検証」を求めるにとどめた。