米国務長官、中国の南シナ海「軍事拠点化」を批判

世界の原油約3分の1の輸送航路となっている南シナ海の西沙諸島・永興島に中国が新設した三沙市(2012年7月27日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 2016年2月の中国の原油輸入量は前年比19%増の3180万トンとなり昨年12月に次ぐ高い水準となった。全体の輸入額が前年比14%減と大幅に落ち込んだにもかかわらず、である。

 その大きな要因として、原油価格下落により民間製油企業がロシアからの輸入を増大させたことが挙げられる。加えて、筆者は国内で生産される原油量が減少していることが影響しているのでないかと考えている。

「延長油田」「勝利油田」で生産を削減

 2月半ばから、中国メデイアはこぞって「原油価格下落で国有石油各社の油田が大きくコスト割れし、操業を相次いで停止している」と報じていた。

 例えば2月22日付「証券日報」によれば、陝西省にある「延長油田」では開発の一部を断念するとともに、大幅なリストラを実施されることが決定された。延長油田は生産コストが1バレル=70ドルに及ぶため、今年の原油生産量を昨年の1240万トンよりも約20万トン減産し、油田開発に従事していた人員も45%削減すると言われている。延長油田は高油価の下、この10年で大きく生産を伸ばしてきたが、米国のシェール企業と同様に高コストが災いして厳しい状況に直面している。

 中国2大国有石油企業の1つである中国石油化工集団(SINOPEC)も、2月に入り山東省にある「勝利油田」で最も生産効率の低い4つの鉱区(全体で70鉱区)の操業を停止することを明らかにした。昨年(2015年)は92億元(約1590億円)超の巨額の赤字となり、今年1月だけでも29億元の赤字が出ているからだ。