マッシャブルやシーネットなどの米メディアの報道によると、米アマゾン・ドットコムには仮想現実(VR:virtual reality)の開発部門があり、同社の映像配信サービス「Amazonビデオ」を通じて、そうしたコンテンツを提供するためのプラットフォームを開発しているのだという。
求人情報サイトへの掲載で明らかに
このニュースを最初に伝えたのは、VRや拡張現実(AR:augmented reality)に関する話題を追っているブログサイト「Upload VR」。
それによるとアマゾンはここ最近、米国の求人・キャリア情報サイト「グラスドア(Glassdoor)」に求人情報を出した。そこには、同社のVRチームを率いるシニア・ソフトウエア開発マネジャーを募集しているとの記載がある。
そしてこのチームは、AmazonビデオにおけるVR体験の開発を担当し、「コンテンツのプラットフォームとインタフェースを探求・開発する」という。またその職務には「VR体験(コンテンツ)の制作と再生のためのプラットフォームが含まれる」との説明も付け加えられている。
「未来は受動的な2D体験に限定されない」
アマゾンが求めている人材の基本資格は、コンピュータ科学等の学位、15年以上の関連エンジニアリング業務経験、ソフトウエア開発等に関する7年以上の技術経験など。そしてこれら資格項目の上には「エンターテインメントは急速に進化している。未来は受動的な2D体験に限定されない」との記述もある。
VRの分野では、米フェイスブック傘下オキュラスVRの「Oculus Rift」や、オキュラスVRと韓国サムスン電子が共同開発した「Gear VR」、台湾HTC(宏達国際電子)が先頃発表した「HTC Vive」などのハードウエア製品が注目されている。
だが今回の求人情報を見る限り、アマゾンが求めているのはハードウエアの開発者ではなく、VRコンテンツを配信するためのソフトウエアを開発する人材のようだ。
ただ、アマゾンはこれまで様々なハードウエア製品を市場投入しており、今回の計画は、将来のアマゾン製VRハードウエアの登場を示唆するものであっても不思議ではないと米PCワールドの記事は伝えている。