先頃、世界のスマートフォン市場は飽和状態に達しており、もはやかつてのような2桁成長は見込めないとの調査報告があったが、ほかの市場調査会社のリポートでも、同様の見解が示されているようだ。
今年の市場成長は1桁台に低下
例えば、米IDCが先週まとめたリポートでは、より具体的な数値を示し、今後の市場動向を占っている。
それによると、昨年1年間における世界のスマートフォン出荷台数は14億4000万台で、その前年比伸び率は10.4%と、2桁成長した。
これが今年は約15億台となり、前年比5.7%の増加にとどまる見通し。世界のスマートフォン出荷台数の伸び率が1桁台になるのは、IDCが統計を取り始めて以来初めてだという。
IDCはその理由の1つとして、世界最大の市場である中国がすでに新興市場から成熟市場に移行したことを挙げている。
同社によると、スマートフォンの出荷台数はインド、インドネシア、中東・アフリカ地域などの市場で引き続き堅調に伸びた。これに対し、米国、中国、西欧などの市場ではすでに1桁台の伸びにとどまっている。
こうしたことからスマートフォンの世界出荷台数は今後年平均6.0%伸びで推移し、2020年には前年比4.3%増にとどまると、同社は見ている。
Android端末メーカーには厳しい時代
このことはメーカー各社の市場環境が厳しい状況になってきたことを示している。
昨年のスマートフォンの出荷台数をOS(基本ソフト)別に見ると、「Android」は11億7000万台だった。これが2020年には16億2000万台となり、そのシェアは81%から85%に拡大するという。