アメリカ軍関係者たちとの間で、近ごろ“解禁”になった日本の武器輸出が話題になった。その際、日本の状況に通じている海兵隊将校が“素朴”な疑問を口にした。
「安倍政権が武器輸出を解禁したとはいっても、たとえば海兵隊が使っているような装甲戦闘車や戦車などを海外に売り込もうとすると、いまだに日本のメディアや多くの世論が拒絶反応を示すと聞いている。
しかし、日本政府主導のオーストラリアに対する潜水艦の売り込みに関しては、ドイツやフランスとの競争に打ち勝って日本の売り込みが成功してほしいと言っている。
装甲戦闘車程度の“チャチな”武器に目くじらを立てて、新鋭潜水艦という“強力な殺人マシン”には無頓着なのは、なぜなのだろうか?」
たしかに、戦車や装甲戦闘車からは火砲が突き出しているから誰の目にも“殺人マシン”に映り、何をするのか分からない潜水艦は「どんどん輸出しろ」というのでは、まさに平和ボケここに極まれるということになるかもしれない。
そして、日本政府やメディアが積極的になっているオーストラリアとの潜水艦共同開発も、その裏ではアメリカ軍需メーカーの思惑が動き始めていることを忘れてはならない。