2013年9月21日の12時30分、武装した4人のテロリストがケニアの首都ナイロビの高級ショッピングモール「ウエストゲート(Westgate)」を襲った。
ウエストゲートはナイロビに滞在している外国人やケニア人富裕層が多く利用するショッピングセンターである。9月21日は日曜日ということもあり、買い物を楽しむ人々で賑わい、屋上駐車場では料理コンテストが開催され多くの子どもたちと保護者が参加していた。
テロリストたちは休日を楽しむ人々に対しAK-47ライフルを次々に発砲、67名が亡くなり約200人の負傷者が発生した惨事となった。
犠牲者にはケニア人の他、イギリス、フランス、カナダ、インドなど約20名の外国人が含まれていた。
ケニア政府が安全宣言を出したのは、4日あまり経過した9月24日だった。イスラム過激派組織アル・シャバーブがその犯行を認めた。
ウエストゲートはおそらくナイロビに滞在する日本人であれば1度は利用したことがあるショッピングモールだろう。いつ日本人が巻き込まれる事態になってもおかしくなかったのだ。
予兆は確かにあった
しかしながら2013年の初頭にはケニアでテロが発生する可能性は指摘されていた。
テロの首謀者であるアル・シャバーブはケニアの隣国ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織である。ケニア軍は2011年にソマリア南部を支配するアル・シャバーブを掃討するためソマリア南部に侵攻、2012年からはアフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)に参加し、ソマリア国内での活動を継続している。この報復としてアル・シャバーブはケニア国内でテロ攻撃を行うことを宣言していた。