米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米フェイスブックは、360度全方位動画の再生が可能なモバイルアプリを開発中だという。
次世代プラットフォームに期待
こうした動画は一般的には、複数のカメラを備えた比較的大がかりな装置で制作されるが、例えば先頃リコーが発表したポケットサイズのスティック型カメラ「RICOH THETA S」でも手軽に撮影できる。
ウォールストリート・ジャーナルによると、フェイスブックのアプリは単体のサービスとしてiPhoneやAndroid端末向けに提供される見通し。これを利用すると、スマートフォンを傾け、自由に視点を変えて動画を見ることができるという。
ただし、同紙は事情に詳しい関係者の話として、アプリの開発状況はまだ初期段階であり、公開時期や実際に公開されるのかといったことははっきりしていないとも伝えている。
いずれにせよ、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はかねて、仮想現実(VR)はスマートフォンに次ぐ次世代のプラットフォームと強調していた。また今年3月にはフェイスブックが全方位動画に対応するとザッカーバーグCEOが述べていたと同紙は伝えている。
モバイルアプリの目的は仮想現実の普及
フェイスブックについては、今年2月に同社が仮想現実使ってソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を体験できるアプリを開発しているとも伝えられた。
今後のフェイスブックの計画については明らかになっていないが、同社が将来のサービスをにらみ、この分野の開発を進めていることは間違いないようだ。
フェイスブックが昨年買収したオキュラスVR(Oculus VR)は来年1~3月期にもヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」の消費者向け製品を発売すると見られている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ザッカーバーグCEOはこのディスプレイが、医療や、コンサート、スポーツなど様々な分野で活用されることを期待しているという。