デル、中国市場向けに低価格PCを発表 - 中国

中国への超大型投資を決めたマイケル・デルCEO〔AFPBB News

 中国市場でこのところ、不可思議とも思える動きが見られる。

 数年前から日本企業だけでなく、米企業も中国市場に見切りをつけて撤退するところがある一方、新たに1兆円を超す資金を中国に投資する企業が相次いでいるのだ。

 中国はいまでも世界最大の市場だが、利益が見込めないと見限った企業と、市場の可能性を今後も信じる企業の違いがある。差違は何なのか。

シアトルの米中会談に企業トップも

 9月下旬、中国の習近平国家主席が米国を公式訪問する。23日には西海岸シアトルで、米中両国の大手企業トップが顔を合わせる円卓会議が開かれる。

 そこに招かれるのは、複数のメディアを総合すると米アップルのティム・クック経営最高責任者(CEO)、IBMのバージニア・ロメッティCEOなど大手15企業のトップ。中国側も大手15 企業のCEOが顔を揃える。

 両国企業は互いの市場へのアクセス問題やサイバーセキュリティー問題などについて話し合う予定だ。

 ただ中国市場から撤退を決めた企業を眺めると、中小だけでなく大手企業も含まれる。例えば、今年だけでもシチズン・ホールディングズの合併会社「西鉄城精密(シチズンセイミツ)」が広東省の工場を閉鎖したし、パナソニック、ダイキン、TDKなども工場閉鎖や生産の一部を移転すると発表した。それだけ撤退の波は大きいのだ。

 企業幹部たちは努力不足というより、中国市場のビジネス環境の変化が大きいと口を揃える。しかも、理由は1つや2つではない。大きく5点にまとめてみた。

 1つは中国市場での人件費の高騰だ。工場で働く作業員の平均月給は、日本では福利厚生を含めて約25万円だが、中国では約8万円である。