米メディアの報道によると、米アマゾン・ドットコムは同社が米国で提供している有料会員制プログラム「アマゾン・プライム(Amazon Prime)」の急ぎ便サービスに、外部小売業者が直接発送手続きをする商品も加える計画だ。
これは従来アマゾンが貫いてきた方針とは異なる。新方針により、アマゾン・プライムの対象となる商品種が現在の約2000万点から大きく増え、売り上げ向上につながる可能性があるという。
2倍の買い物するプライム会員
同社が米国で提供しているプライムは、年間99ドルを支払うと、商品が2日以内に届く急ぎ便サービスを追加料金なしで何度でも利用できるというもの。プライムにはこのほか、映画コンテンツが見放題になる特典なども付く。
このニュースを最初に伝えた米ウォールストリート・ジャーナルによると、プライムの会員は、非会員に比べアマゾンでの買い物に2倍支出すると見られており、このプログラムは同社の売り上へ拡大の中心的な役割を果たしているという。
外部の業者にとっても自社の商品がプライムの対象になれば、売り上げが向上する。
同紙によると、これまで外部業者が自社商品をプライムの対象にしてもらうためには、あらかじめアマゾンの倉庫に商品を送り、アマゾンが管理、発送するという条件が義務づけられていた。ただそれには同社に手数料を支払わなければならず、プライムにはあまり乗り気でない業者も少なくなかった。
対象は迅速対応可能な業者のみ
ところがアマゾンは今回、この方針を大きく変えた。同社は、自社で商品を直接顧客に発送している業者の中から、迅速に対応している業者を選び、プライムに参加するよう呼びかけている。
これにより、外部業者はアマゾンの倉庫を使うことなく、自社で発送しながらアマゾンのサイトでプライム商品として販売できるようになる。ただし、その送料は外部業者の持ち出しになると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。