ジャズ界でいま脚光を浴びているクロード・ディアロさん(注:リンク先では音楽が流れます)。演奏と作曲に加えてマネージメントも精力的にこなしている。初来日したときから日本が好きでたまらないそうだ(写真提供:Nina Chen)

 30代前半のジャズピアニスト、クロード・ディアロさん(注:リンク先では音楽が流れます)の演奏を間近で聞いた。すべて即興なのではないかと思うほど複雑な旋律を、クロードさんの両手は難なくつむぎだす。

 鍵盤とまるで一体になっているように弾く姿に、そして柔らかく軽やかな音色に聴衆から幾度も拍手が起こる。演奏に没頭しているわけではなく、楽しみながら奏で、拍手のたびに笑顔で応えるのはなんともチャーミング。

 こんな様子を、クロードさんは、腕に磨きをかけたアメリカや出身地のスイスを中心に披露し続ける。作曲もお手のもので、どこに行っても絶賛される彼はジャズ界でいま脚光を浴びている若手の1人。

 活躍の場はアジアにも広がり、現在は日本全国を回って演奏している真っ最中。その彼に、日本への出発前に話を聞くチャンスを得た(日本ツアーの日程はこちら)。

昨年に続き、5月17日に池袋ジャズフェスティバルで演奏

 クロードさんのことを、すでに知っている人もいるだろう。今回の訪日は3度目になる。1度目は1人で、2度目は昨年の日本ツアーで自身のトリオ「クロード・ディアロ・シチュエーション」として滞在した。

 トリオはジャズピアニストにとって基本形式で、クロードさんの好きなスタイル。

 世界で10本の指に入るほど優れているとクロードさんが誇るドラムのマッシモ・ブオナーノさん、マッシモさんとあうんの呼吸だというエレクトリックベースのローラン・サルザールさんとは、2007年以来、日本のほかにも世界各地でコンサートを開催したり、大きなフェスティバルに出演している。