世界のビジネススクールは、自らの学校を代表する教授陣を使い、大手企業の最高経営責任者(CEO)などを対象とした短期間に最新の経営理論を教授するエグゼクティブプログラムに力を入れている。

1日に10万円を超える授業料も珍しくない

 MBAを教えるよりエグゼクティブプログラムを教える時に、教師はより真剣になる。生徒が現役の経営者であるし、1日1人当たりの授業料が10万円を超すこともざらにあるからだ。

 エグゼクティブプログラム間の競争も激しく、生徒が教師を見る目も厳しいので、中途半端な内容を行えば評価が落ち、そのエグゼクティブプログラムは閑古鳥が鳴くことになる。

 こうした中、米国東部の名門、アイビーリーグの雄、コロンビア大学のエグゼクティブプログラムが人気だ。理由の1つが、「ジャズを利用したリーダー教育」。

 主催するのは、コロンビアビジネススクールの看板教授グラント・アッカーマン氏。彼は「成功するチームを作る」授業で、生徒(一流企業の経営者)をジャズクラブに連れ出す。

 ジャズを聞かせることでリーダーに「人を鼓舞し、チーム内の可能性を見出す」きっかけを与えるのだ。

モーツァルトを聞くとIQが高くなる

 でも、なぜジャズなのだろうか?

 この問題を解く前に、音楽の教育効果を考えてみよう。今でも「モーツァルトを聞いて天才児をつくろう」といった類の本があるし、「モーツァルトを聞くと子供の頭がよくなる」ということが盛んに言われた時期もあった。

 この発端になったのは、1993年に世界的に有名な米国の医学雑誌「ネイチャー」に掲載されたフランシス・ラウシャー医学博士らによる実験報告。

 この実験では、実験期間中にモーツァルトのピアノソナタを毎日10分間聞いた被験者と聞かなかった被験者の、実験期間前と後のIQを比べると、モーツァルトを聞いた被験者のIQが上昇し、聞かなかった被験者とのIQ差が広がったというもの。