米労働省から9日に発表された米12月の雇用統計は、筆者作成関連統計「星取表」のシグナルに沿った、悪化継続となった。非農業部門雇用者数は▲52万4000人という、今回のリセッションでは前回11月分に次ぐ大きなマイナス幅。

 過去2カ月分の下方修正幅は今回も非常に大きなもので、10月分は▲32万人から▲42万3000人に、11月分は▲53万3000人から▲58万4000人に変わった(10・11月の下方修正は計▲15万4000人)。雇用者数の減少はこれで、12カ月連続。しかも、2008年年間では▲258万9000人となり、第2次世界大戦が終結した1945年以来の(戦後最悪の)数字を記録した。

 

 

 注目業種4つの雇用者数減少幅は、次の通り。
(1)製造業は▲14万9000人(前月▲10万4000人)。2001年8月以来の大幅減。自動車など不振。
(2)建設業は▲10万1000人(前月▲8万5000人)。居住用関連、非居住用関連ともに減少。
(3)小売業は▲6万7000人(前月▲10万人)。うち自動車・同部品ディーラーが▲2万5000人。
(4)金融業は▲1万4000人(前月▲2万8000人)。保険、信用仲介、レンタル・リースなどで減。

 サービス部門全体の雇用者数は▲27万3000人で、減少幅は前月よりも小さかった(前月▲40万2000人)。12月のISM非製造業雇用指数が上昇していたことと整合する結果である。ただし、業種別の内訳を見ると、教育・医療関連を除くほとんどで減少が続いており、楽観とは程遠い。

 一方、12月の失業率は7.2%へと大幅に上昇し(前月比+0.4ポイント)、市場予想を上回った。これは1993年1月以来、ほぼ16年ぶりの高い水準。失業率を含む雇用統計の家計調査は今回、過去5年分のデータが改定されており、前回11月分は当初発表の6.7%から6.8%に上方修正された。景気循環に対して遅行する性質を有する失業率は今後も上昇を続けると予想され、8%は通過点だろう。