前回の記事「米国で交わされている『文民統制』議論の中身」で、米国の近年の議論は、基本的な文民統制が確立されたことを前提とする、その運用についてのものに移行していることが分かりました。
さて、これが日本の現在の議論にどのような意味があるのでしょうか。
我々も文民統制の確保よりも、その上での効率的な予算管理や安全保障政策での組織マネジメントの向上を目指すべきということです。
これは具体的には、自衛隊の運用や装備品調達で各自衛隊の組織益ではなく、統合の推進による全体益の追求を行うようにすることや、安全保障政策で軍事的合理性に偏重しないように総合的な国益になるような追及、政策決定における政治指導者の優位性確保等が当てはまります。