ディカプリオ、ついにオスカー獲得なるか

『ウルフ・オブ・ウオールストリート』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたレオナルド・ディカプリオ。マレーシア人大富豪のジョー・ロー氏が同映画のパトロンだとされる〔AFPBB News

消えた資産の裏に見え隠れするジョー・ローという男

 前回の『マレーシア政府系投資会社の巨額不正疑惑が明るみに』(3月26日付)では、マレーシア政府系投資会社「1MDB」が抱える同国企業史上最大の巨額借金と、それに伴う不正疑惑の背景を明らかにした。

 さらに驚愕するのが、サウジアラビアのターキ王子が所有する「ペトロ・サウジ(ケイマン諸島)」との合弁企業「ペトロ・サウジ・インターナショナル(ケイマン諸島)」によるベンチャー事業に関連した資金の行方。

 1MDBがポートフォリオ・ファンドの形式で世界有数のオフショア金融拠点の英国領ケイマン諸島に預けていた資産(1MDB発表:23億2000万米ドル=約2830億円)が消えてなくなり、同事業を全面的に手掛けた手配師で“middleman(ブローカー)” のマレーシア人大富豪の懐に一部流れた、というショッキングな疑惑だ。

 上記のベンチャー事業は資金を流用するための隠れ蓑に過ぎず、実際は同事業運用を名目にした“ペーパー事業”だったとロンドンに拠点を置くニュース・ポータル「サラワク・レポート」が報道した。

 幻となった金の出所や行方のカギを握るのが、そのマレーシア人大富豪こと、ロー(劉)・テック・ジョー氏(社交界ではジョー・ローで知られる)。

 ロー氏はマレーシア・ペナン出身で、英国の歴代首相を輩出したパブリックスクール、ハロー校で学び、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。

 交遊録には、サウジアラビアの駐米・駐英大使なども務めた前述のターキ王子など中近東の王族から、社交界の名士でヒルトンホテルの創業者を曾祖父に持つパリス・ヒルトン、ハリウッドスターの俳優レオナルド・ディカプリオや女優リンゼー・ローハン、歌手のアリーシャ・キーなど世界のセレブがズラリと並ぶ。

 その華麗な人脈は、ハロー校やウォートン・スクール時代から築き上げ、「世界の王族や大企業の子息などと親交を深めた」(ロー氏)もの。