ロシアはどこに向かうのか――。

 筆者が当コーナーに最初に寄稿したのは2009年2月のことだが、その時のタイトルがこれだった。リーマンショックから半年余のロシアは1998年危機後のロシアを嫌がうえにも思い起こさせる暗い雰囲気で年末年始を迎えていた。

5分の1になった株価

モスクワ市庁舎前 氷の大砲

 原油価格は1バレル30ドル台に急落、ルーブルは1ドル24ルーブルから36ルーブルに50%近く下落した。株価(RTS)に至っては最高値の2500ポイントから500ポイントへと5分の1になった。

 あれから6年・・・2015年初のロシアは再び同じ状況にあるようだ。

 しかし、ロシアのマクロ経済状況は2009年当時よりもはるかに強靭である。他方、国際関係の面からは、ロシアはもはやG8の仲間ではなく、欧米諸国からのサポートは期待できない。

 筆者は昨年12月、ちょうどルーブルが急落しロシア中銀が政策金利の大幅引き上げを余儀なくされた日(12月16日)にモスクワに滞在していた。

 その後1週間ほど仕事の合間をぬって街中を眺めて回ったが、「金融市場の変化ほどには、街中の変化は大きくない」というのが筆者の印象である。