この結果設定された我が国の再エネ電源の調達価格は、国際的にみて非常に高い水準にとなった。例えば我が国の2012年度の太陽光発電から生まれた電気の調達価格は40円/1kWhと設定されたが、これは同じ時期のドイツの調達価格(18.33ユーロセント/kWh)の2倍強の値段である。

 こうしていわば政府が3年間のバブルを保証する環境で、我が国の固定価格買取制度は船出することになった。

2015年は真の意味での「再エネ元年」となる

 実際に固定価格買取制度がスタートすると、地熱発電や水力発電といった権利調整が複雑な電源の開発は敬遠され、最も立地が容易な太陽光発電に投資が集中することになった。

 調達価格が高水準に設定されたこともあり、地方の使い道がなかった工場団地や山林や埋め立て地で次々と大規模太陽光発電所(メガソーラー)の開発計画が立ち上がり、経済産業省に計画の申請がなされていった。

 この結果起きたのが、経済産業省が認定した太陽光発電所計画の件数・容量と、実際に運転を開始した発電所の乖離という現象である。

太陽光の導入量と認定量の比較
(経済産業省 資源エネルギー庁の資料より)
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 上図は経済産業省がまとめた太陽光発電が実際に導入された量と経済産業省が計画を認定した量とを比較したものである。この図に示されている通り、経済産業省の太陽光発電所の認定容量は7000万kW近くに達しているが、実際に運転を開始した導入量は1100万kWとその6分の1に過ぎない。