北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)の暗殺を題材にしたハリウッド映画『ザ・インタビュー』がクリスマスに米国で公開された。この映画は、公開される前から話題にこと欠かなかった。

オバマ大統領の激怒を誘発、興行は大成功

北朝鮮題材の『ザ・インタビュー』、米で劇場公開

米国で25日に劇場公開された『ザ・インタビュー』〔AFPBB News

 まず予告編が公開されると、これを見た北朝鮮が強力に制作会社のソニーピクチャーズを非難した。様々なルートを使って米政府に対し映画が公開されないように働きかけてくれるよう要請した。

 その後、平和の守護者(Guardian of Peace)と名乗る組織がソニーピクチャーズをハッキング。未公開の映画や内部情報、個人メールなど膨大な情報が流出した。

 GOPは、映画を公開すれば同社だけでなく、公開した劇場にも攻撃を仕かけると宣言し、大手の映画劇場チェーンが上映に怖気づいた。同社も映画の公開を中止する方向で考えていると、意外なことに米国のバラク・オバマ大統領が激怒した。

 FBIの調査により、ソニーピクチャーズへのハッカー行為の背後には北朝鮮がいると知らされたからだ。

 オバマ大統領は、記者会見を通じて「北朝鮮のハッカー攻撃は米国にとてつもない損失を被らせた。米国はこれに比例して対応する」と言った。またソニーピクチャーズに対しても「公開を取り消したのはミス」だと指摘した。

 こうしたオバマ大統領の発言を追い風に、ソニーピクチャーズは急きょ大手チェーンの劇場ではなく、小さな劇場での公開を進め、さらにはオンライン上でも劇場公開に先駆け12月24日から公開を始めた。