今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(12月21日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、6週間ぶりに中山泰秀氏がナビゲーターを務め、電子投票やインターネット投票の話題を取り上げたほか、安倍政権の「アベノミクス批判」に対する持論などを語った。

「電子投票」や「ネット投票」の導入にはリスクも

安倍晋三氏を首相に選出、衆参両院

12月24日、衆院本会議で第97代首相に選出された安倍晋三首相 ©AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News

中山 14日に行われた衆議院選挙のため、番組を5週間留守にしました。結果は無事に当選を果たすことができ、まずは支えてくださった皆様に感謝を申し上げたいと思います。

 さて今回の選挙では、各地の開票作業で集計ミスが相次いだと報じられています。インターネット動画サイトでも、都内の投票所である候補者の票に他の候補者の票が一緒に束ねられている映像がアップされていましたが、もし事実だとすれば大きな問題です。

 選挙で集計ミスが多発したことは民主主義の根幹を揺るがしかねず、有権者の守られるべき一票が不正に悪用されたのだとしたら言語道断です。

 最近は「電子投票」や「インターネット投票」を認めるべきだという声が聞かれます。電子投票というのは投票用紙に記入する代わりに、銀行のATMのような入力装置を用いて投票するシステムです。

 過去にこれを試験的に実施した自治体がありますが、途中で投票機が故障して投票できなくなる事故が発生しました(参考:情報通信総合研究所レポート)。そのために投票されなかった票数が選挙結果に影響した可能性があることから、後に訴訟まで発展しています。

 また、過去に自民党の選挙制度調査会で電子投票について議論されたことがあります。そこで分かったのは、衆議院と参議院と地方自治体の選挙で別々の投票機を用いなければならず、多大な導入コストがかかること。そして、選挙期間以外の保守点検や、選挙当日の稼働チェックにかかる人件費等を含めると試算で約200〜300億円もの税金が必要だということです。

 このように、電子投票は投票機の信頼性や運用側の手間、コストなど懸念材料も多く、導入はまだ検討段階です。

 次にインターネット投票ですが、セキュリティの観点から信頼性に疑問が残ります。例えば、今回の選挙で特定の政党や議員のホームページへのサイバー攻撃が発覚しました。私も、SNSに数時間アクセスできなくなるなどの被害を受けています。この例からも、ネットで「投票」できるようにするにはもっと議論が必要でしょう。